定期保険特約付終身保険は充実した保障に期限あり
生命保険商品の中でも、終身保険は、一生涯の保障を受けられることから人気があります。
保険会社が顧客にすすめる場合も、終身保険のパンフレットを見ながら保険内容を説明することが多いことから、生命保険の加入者は、多くの場合、終身保険を選択する傾向にあります。
この終身保険に様々な特約をくっつけた保険商品のことを定期保険特約付終身保険と呼びます。契約時に特に意識しなければ、終身保険に加入する場合、定期保険特約付終身保険を選択しています。
特約のない終身保険の仕組み
特約の付いていない終身保険の仕組みは、いたってシンプルです。例えば、60歳になるまで毎月保険料を支払えば、以後の保険料を支払わなくても一生涯に渡って300万円の保障が受けられる終身保険があったとします。
この終身保険に加入していれば、被保険者が亡くなった場合、必ず保険会社から300万円の保険金がもらえます。
一生涯に渡って保障される終身保険は魅力的に思えますが、受け取れる保険金が300万円だと少なく感じるのではないでしょうか。しかし、300万円では少ないから死亡時には3,000万円は欲しいと思うと、毎月負担する保険料が高額となります。
このような加入者の希望に応えたのが、定期保険特約です。
一定期間だけ大きな保障を得る
終身保険に30歳で加入したけども、300万円の死亡保障では少ないと感じる場合は、一定期間だけ保障内容を上乗せできる特約を付けられます。
例えば、40歳までの10年間は、死亡保障を上乗せする定期保険特約を付けるといった感じです。ついでに医療保険特約と傷害特約も10年の期限付きで加入しておきます。
特約を付けたので、40歳までは高い保険料を支払うことになりますが、保障内容は終身保険だけの時よりも充実し、大きな保障を受けられるようになりました。
更新を繰り返しながら保障内容を見直す
40歳になりました。ここで、定期保険特約が期限切れとなります。40歳まで充実した保障を受けれたので十分だという場合は、40歳で特約を外すことになります。でも、50歳までは大きな保障があった方が安心だと思う場合は、契約を更新して、再度10年間、手厚い保障を受けることができます。
もしも、保障額を減らしたいのなら、保障額を減額して更新できます。年齢が上がるにつれて毎月の保険料も上がっていきますから、保険料の負担がきついと感じる場合は減額更新がおすすめです。もう10年間は、大きな保障が必要だと思うなら、保険料が増えてもこれまで通りの保障内容を維持すれば良いです。
また、特約をたくさん付けたけども、必要ない特約もあるなと思ったら外してしまいましょう。仮に傷害特約がいらないのなら、傷害特約は更新しない選択も可能です。
50歳になった時にも、特約を更新するかどうかを検討しなければなりません。必要なら更新ですし、不必要ならここで終了です。
なお、60歳で保険料の払込が終了となった場合、その後は終身保険だけが残ります。
実は終身保険の補償内容が減ったわけではない
よく終身保険に加入したけども、ある年齢に達した時点で保障額が大幅に減額されたという話を聞きます。
以下の図のようなイメージですね。
多くの終身保険では、このような保障内容となっており、保険会社のパンフレットにも、これと同じような図が記載されています。
しかし、これは終身保険の保障額が払込終了とともに減額されたのではなく、払込終了とともに定期保険特約の更新が行われなくなり終身保険だけが残った状態なのです。
つまり、多くの人が終身保険にだけ加入していると思っていますが、ほとんどの生命保険には定期保険特約がたくさん付いており、その特約が終身保険よりも大きな保障をしてくれているわけですね。