個人賠償責任保険は一家に一契約あれば家族全員が補償される
個人賠償責任保険は、日常生活で人にケガをさせたり、他人の所有物を壊したりした時にその損害を補償してくれる保険です。
個人賠償責任保険は、家族全員が保険の対象となるので、一家に一契約あれば安心です。
個人賠償責任保険の補償内容
個人賠償責任保険では、他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金を受け取ることができます。なお、保険金が支払われる事故は以下のような場合です。
- 日常生活に起因する偶然の事故
- 被保険者が居住のために使用する住宅の所有、使用、管理に起因する偶然の事故
わかりやすく言うと、日常の中で偶然発生した事故で、相手に損害を与えた場合に補償されるということです。
保険金が支払われない場合
個人賠償責任保険が、偶然の事故に起因する損害を補償するものであることから、故意に損害を与えた場合には保険金は支払われません。また、以下のような事象についても、保険金は支払われません。
- 地震、津波、噴火、暴動などに起因する賠償責任
- 仕事上の賠償責任
- 同居の親族に対する賠償責任
- 借りている物に対する賠償責任
- 自動車、飛行機、船舶などの所有、使用、管理に起因する賠償責任
「1」の自然災害や暴動は、他の損害保険でも補償の対象外となることが多いです。
「2」の仕事上の賠償責任は事業者が加入する賠償責任保険で補償されます。
「4」の借りている物に対する賠償責任は、受託物賠償責任保険の特約を付ければ補償されます。
「5」は、自動車保険など別の損害保険に加入していれば補償されます。
支払われる保険金
個人賠償責任保険で支払われる保険金は、以下の通りです。
- ケガの場合
治療代、休業補償、逸失利益、慰謝料 - 物を壊した場合
修理代
弁護士費用特約にも入っておく
自分が事故を起こした場合には、個人賠償責任保険で損害賠償できます。一方、自分が事故の被害者になった場合には、加害者から損害を賠償してもらえます。
しかし、自分が被害者になった時に加害者と交渉するのは難しいことです。そのため、弁護士に依頼して交渉してもらうことになりますが、弁護士費用は被害者にとって大きな支出となります。
そこで、自分が被害者になった場合のことを想定して、自動車保険や火災保険などに弁護士費用特約を付けることをおすすめします。
弁護士費用特約は、多くの保険会社で取り扱っていますが、単体で加入することはできません。各種損害保険を契約する際には、弁護士費用特約も付けておきましょう。ただし、一家に一契約あれば十分なので、重複しないようにしましょう。
なお、弁護士費用特約は、自分が加害者になった場合には使えません。また、事故を対象とした特約のため、詐欺やストーカーによる被害などにも使えません。
個人賠償責任保険の加入方法
個人賠償責任保険は、子どもが起こした事故やペットが他人に噛みついてケガをさせた場合などに補償されます。
特に自転車事故や美術品の破損は、高額賠償となる場合がありますから、個人賠償責任保険に加入しておいた方が安心です。
個人賠償責任保険は、自動車保険、火災保険、傷害保険の特約として加入するのが一般的です。保険料は年間で2,000円前後です。賠償限度額が1億円や無制限となっていることが多いので、個人賠償責任保険は安い保険料で高額賠償に備えられるお得な保険です。
もしも、上記の保険に加入していなかったとしても、最近ではクレジットカードのオプションとして個人賠償責任保険に加入できるようになっていますから、カード会社のウェブサイトなどで確認してください。
個人賠償責任保険では、自分の所有物は補償対象外ですが、携行品補償保険に入っておけば補償されます。また、先ほども述べましたが、他人から借りた物も個人賠償責任保険では補償されませんが、受託物賠償保険の特約を付ければ補償の対象となります。
なお、個人賠償責任保険は、一家族一契約で十分ですが、2つ以上加入していても補償額が合算されるので無駄になることはありません。ただし、補償額が無制限の契約の場合は1つあれば十分です。