医療保険は実損填補型と日額型のどちらが有利?
医療保険は、入院日額いくら、通院日額いくら、手術保険金は入院日額の何倍といった形で保険金が支払われる日額型をよく目にします。
また、日額型に対して、実際にかかった治療費を補てんする形で保険金が支給される実損填補型もあります。
実損填補型は医療費の自己負担が発生しない
実損填補型の医療保険のメリットは、実際にかかった治療代が保険金として給付されるので、医療費の自己負担が発生しないことです。
健康保険に加入している現役世代は、医療費の負担が原則3割です。手術や入院をした場合、日額型だと、この3割の自己負担分を保険金で賄えないことがあります。先進医療費や差額ベッド代が必要になった場合には、日額型だと、さらに自己負担額が増えます。
その点、実損填補型の場合は、先進医療費、差額ベッド代、ホームヘルパー代も補償の対象となるので安心です。
日額型はかかった医療費以上の保険金受け取りもあり得る
実損填補型は医療費の持ち出しがないのがメリットですが、日額型には実際にかかった医療費以上の保険金を受け取れるメリットがあります。
例えば、入院日額5,000円が支給される医療保険の場合、1ヶ月に20日入院すれば、10万円の給付金を受け取れます。入院費は、食事代も入れると3割負担でも1日5,000円を超えるので、保険金だけで入院費を賄えません。
そのため、この場合は、実損填補型の方が有利と言えそうです。
ところが、国民健康保険や会社の健康保険には、高額療養費制度があるので、多くの世帯で1ヶ月に10万円以上、医療費を自己負担する必要はありません。したがって、日額型だと、入院給付金を20日分受け取った場合には、医療費の自己負担額を支払っても、お釣りがくることになります。
一方の実損填補型の場合も、高額療養費制度の適用前の3割負担分に対して保険金が支払われる商品があります。しかし、高額療養費制度の自己負担額まで、月額いくらまで等の上限を設定している商品もあるので、これら保険商品だと実費以上に保険金を受け取れません。
実損填補型は定期保険
日額型の医療保険は終身保険を選ぶことができますが、実損填補型の医療保険は基本的に5年や10年などの定期保険のみです。
終身保険じゃないと安心できないという方もいるでしょうが、医療費の備えは貯蓄が基本です。医療保険に加入する場合でも、十分な貯金ができるまでの期間と決めておくものですから、定期保険しか選べない実損填補型は日額型より損だとはなりません。
日額型と実損填補型のどちらが得かは、一概に決めることはできません。どちらを選ぶかは、個人の好みと言えます。
ただし、どちらの医療保険を買う場合でも、両者の保険料や保障内容を比較することを忘れてはいけません。保障内容に甲乙をつけがたい場合には、保険料が安い方を選択するのがおすすめです。

